【レビュー】瀬戸内寂聴さんをモデルとした映画のあちらにいる鬼を試写会で観ました
株式会社エイガ・ドット・コム様主催の試写会に当選し、瀬戸内寂聴さんをモデルとした映画のあちらにいる鬼を試写会で視聴した。
こちらは井上荒野さんの小説あちらにいる鬼を原作としている。瀬戸内寂聴さんをモデルとされている。井上荒野さんの父親の井上光晴さんと瀬戸内寂聴さんが不倫関係にありそれを基にして執筆された小説があちらにいる鬼との事。
そして、執筆の取材には瀬戸内寂聴さんが協力をするというなかなかのドキュメンタリーに近い作品なのだろうと思う。
その小説を基に脚本された映画が同タイトルとなる映画のあちらにいる鬼。
予告を観てからかなり興味を持っていたので、株式会社エイガ・ドット・コム様からの当選連絡を受けてからは劇場公開前となる試写会を非常に楽しみにしていた。
 
■キャスト
長内みはる:寺島しのぶさん
白木篤郎:豊川悦司さん
白木笙子:広末涼子さん
※メインキャストは3名
山田キヌヲさん、高良健吾さん、村上淳さんも出演
 
■あらすじ
白木篤郎の浮気相手(蓮佛美沙子さん)の女性が自殺未遂し、自分の妻の白木笙子をお見舞いに行かせるという冒頭から普通じゃない所から始まる。
 
■感想
あらすじを読んで頂けたらわかるように冒頭から普通じゃない映画である事は察知し物語が進むのを覚悟して観なければならないだろうと感じたが、やはり予想通りで一言で重たい物語の映画とは言い難い内容だった。
物語は非常にシンプルでわかりやすく脚本されていてるにも関わらず難しい。なぜ難しく感じてしまうのかと考えると、やはり人間という非常にわかりづらく複雑な心がある事をテーマに持っているからだと感じた。
誰しもが遠慮なく自分の思うがままに生きる事で他者を傷つけてしまう。しかし、その一方でもし我慢をすれば自分が息苦しく感じてしまうというジレンマがある。
そして、愛情だけでなく他の物事にも言えるとは思うのだが、何が良くて、何が許されるのかはその時代や国のモラルや法律にもよるし、各人の価値観にも異なるのでその判断は出来ないと個人的には思っているので息苦しさ、生き辛さを感じずにはいられなかったというのが大枠での感想となる。
 
自分がとても好きな俳優さんの1人であるのだが、寺島しのぶさんの実際の剃毛シーンは圧巻。出家する物語とはいえ、その役作りでの剃毛シーンの顔の演技にはやはり演技派俳優としての実力を目の当たりにした。このシーンだけでも何度も観返すことが出来る素晴らしいシーンであり好きなシーンの1つである。
豊川悦司さんの下半身で行動する自由奔放なクセのある役。個人的にはNIGHT HEADや愛していると言ってくれ、Love Storyでの印象が強くあまり変なクセのある役は観た事が無いので本作品での白塗りでストリップをするシーンなんかはわりと驚いた。
広末涼子さんは長内みはるとはまた別の力強さを感じる女性の役がきっちりハマっていた。浮気相手が家にくるもまったく動揺せずにお茶を平常心で飲んで美味しいというシーンは思わずクスッとしてしまう演技だった。
何の話?と輪に入ろうとしてきた役柄が山田キヌヲさんだと気付いたのだが、チョイ役の出演で終わってしまったのが残念だった。篠崎誠監督のSHARINGを観て演技派俳優というのは知っているので長セリフもいけるし、片方の目からのみ涙を流すという印象に残るような個性もあるので、こういったスリリングな作品でもっと出番が観たかった。
 
11月11日から劇場公開されるので映画館に行ってまた視聴したいと思う作品だった。
また、このような素晴らしい機会をいただけた株式会社エイガ・ドット・コム様にはとても感謝しています。
あちらにいる鬼公式HPはこちら
斯くして、力強く生きるのも千里の道も一歩から。
スポンサードリンク