【レビュー】宇賀那健一監督作品のオムニバス上映の未知との交流に行ってきた
予告を観て、クリーチャー、モジャ、ゾンビと色々が出てきているので気になっていたので12月2日の舞台挨拶回付の公開初日に行ってきた未知との交流のレビューとなる。
短編映画の集まりではあるのだがちょっと特殊で、未視聴だが異物という映画の「適応」というパート部分のみを切り出し、モジャ、往訪の3つの映画からなる宇賀那健一監督のオムニバスとしての上映となっています。
いずれも未視聴な事もあり予告の面白そうだなという直感だけで視聴しにきたのだがこれが正解だった。
ロビーには映画に登場した実物がクリスマス仕様で展示されている。異物の触手が異常に長いのがわかる。
 
ここから先は、舞台挨拶内容や作品について触れているのでネタバレに敏感な方は未視聴/仕様済問わずで読むのを止めた方が良いと思います。自己責任において読み進めて頂きますようお願いいたします。
 
■適応
・出演
石田桃香さん
吉村界人さん
田中真琴さん
ほか
・簡易なあらすじ
石田桃香さんが務める喫茶店を舞台に、吉村界人さんが家に帰ったら異物がいて、それを元恋人の田中真琴さん見せにきて一緒に育てないかという物語。
※映画「異物」からの「適応」部分のみ上映
・クリーチャーの異物
・所感
異物には触手があるのだが吉村界人さんに懐いてくるとクールなキャラ設定なので「やめろよ」というのがシュールで面白い。
異物が甘いものが好きだといいパフェを食べさせると喜び意思疎通も出来ていて可愛い存在だった。面白かったのでかなり短く感じたが近いうちに完全版を観てみようと思った。
 
モジャ
・出演
兵頭功海さん
小出薫さん
内木英二さん
関本巧文さん
ほか
・簡易なあらすじ
自分の事をモジャと名乗る緑色の謎の宇宙人と人との出会いの物語。
・モジャ
・所感
オレオレ詐欺ではなく、オレオレありがとうという電話を無差別にかけてありがとうを言う自己満足の青年が登場。オレオレありがとうは斬新だと思った。
ベンチやバーにモジャが細かい事は抜きにしてなぜかいて人との出会いを待っていたり、話かけるとそっけない言葉ではあるもののその人に合わせて寄り添う会話をする不思議とその存在が癒される。
言葉を喋るし人に興味があるらしく、会話をしたりする事だけじゃなくてタバコや酒にも興味を示す。人に寄り添うのが上手で人の元を転々としていて勇気づけをする。一瞬、化け物化するかと思ったがそうならなかったのでどこかほっとした気持ちになった。
 
往訪
・出演
詩歩さん
平井早紀さん
板橋春樹さん
遠藤隆太さん
ほか
・簡易なあらすじ
連絡が途絶えた同級生?(ここがうろ覚えです)の遠藤隆太さんの家に詩歩さん、平井早紀さん、板橋春樹さんが「往訪」して起きる出来事。
・造型の一部
※右目に穴が空いているのは撮影で実際に使用された為
・所感
「音」が効果的に使用されていてこの世界観をより印象付ける感じになっていて2つの作品とは毛並みに相違があった。その理由の1つに音量があるのだがそれは後に判明した。
遠藤隆太さん役する気色の悪いキャラの家で札を見つけ、何を思ったのか札を剥すと電気が異常になり風が吹き、そして憑りつかれてゾンビのようになったのだがこれは死霊なのではないかと思う。ゾンビが来て噛まれたりしたわけではないのと、風がきて憑りつかれたという設定っぽいので「霊による憑依」だと感じた。
というのも、ロビーで造型を見かけた時からふと思っていたのだが、サム・ライミさん脚本/監督、ブルース・キャンベルさん主演の死霊のはらわたシリーズのオマージュでは無いかと思い始めたのだが徐々にその思いは強くなった。
そして物語が進むと死霊が人を襲うし攻撃しても首が回転したりでびくともしないばかりか大量に血を流しても笑って死なない。この辺りのユーモアの感じも死霊のはらわたっぽいなとますます死霊に思えてきていたところ、往訪先の遠藤隆太さんはまったく動じておらず見ているだけなので何かしらこの事象について知っているのだろうとは思ったのだが謎のままとなった。
武器を持ってきてと詩歩さんが遠藤隆太さんに言うと出してきたのはチェンソー。これは死霊のはらわたでブルース・キャンベルさん役するアッシュのメイン武器なのでまさしく死霊のはらわたなのでちょっと笑った。他にも目を串刺しにしたりはルチオ・フルチ監督のサンゲリア、池田敏春監督の死霊の罠をオマージュとも取れた。だが、ルチオ・フルチ監督作品が強いのだろうかとも感じた。
理由は往訪ではアルゼンチンモリゴキブリが登場するのだがルチオ・フルチさん作品では虫やカタツムリといったのが登場するからである。
よって、死霊のはらわた+ルチオ・フルチさん作品+ウォーキングデッドをオマージュして作られたのかもしれないと勝手に想像をして観ていたのでゾンビ映画やホラー映画が好きなのでかなり楽しめた。ただし、後述する舞台挨拶で宇賀那健一さんから直接的なワードは出ていないので一切関係無いかもしれない為に、あくまでこれは個人的な所感なのでこれが正解というわけではないのでご留意頂きたい。
 
■舞台挨拶
・適応
触手は人力でテグスで動かしているのでカメラには映っていないが、大人数人が真面目にテグスで触手を動かしているのでその様子が視界に入りながら演技をするので笑わないようにするのが大変だった。
吉村界人さんは上記のような状況化においても一切笑ったりせずに役になりきった演技が出来ていたが、田中真琴さんは笑わないように真剣にと監督から言われた。
・モジャ
モジャが緑色な為にグリーンバックが使用出来ずに、(おそらくブルーバックを使用して)全身青タイツで実際にセリフも言いながらモジャを動かしていた。
・往訪
この作品だけは会場の音響さんに言って音量を上げてもらって上映した
※これが視聴中に「音」を効果的に使用していると感じた部分の1つだった
撮影は3日間
目に刺した描写は逆再生となっている
※この話が個人的には凄く気になったポイントで円盤/もしくは配信されたらじっくりと観てみたいと思う。
 
・全体
適応はコロナで一回目の緊急事態宣言があけてからの撮影だった
司会者から会ってみたいクリーチャーは?
兵頭功海さん
モジャ
田中真琴さん
ネッシー、フトンマン(田中さんオリジナル想像キャラ)
すぐ眠たくなるので布団と毛布で包んでくれるキャラ設定とのこと
※会場がちょっと沸いた
吉村界人さん
友達みたいな幽霊(観た事ないから)
詩歩さん
グレムリンのギズモ
ギズモに水をかけて増やしたり、食事を与えたりしてグレムリンを誕生させて街を1つ破壊したい
※宇賀那健一さんからツッコミがあり会場が沸いた
宇賀那健一さん
ゾンビに会いたい。ゾンビ映画を色々観てきたので効果があるのか色々試してみたい。
ここで田中真琴さんから、宇賀那健一さんが勇敢な人としてゾンビの返り血を浴びた状態でゾンビに向かってもゾンビは無視するのか(ウォーキングデッドでこういう描写がある)試して、ゾンビに食べられたらめっちゃ笑っちゃいますよという指摘になんて返したら良いのかわからないと宇賀那健一さん。
※会場が沸いた
 
最後に宇賀那健一さんから未知との交流(3作品)について
デジタルで何でも出来る時代においてアナログを入れた。
アナログの部分は適応はテグスで人力、モジャも全身タイツで人力、往訪の血しぶきの事。
もう1つは暗い時代になってしまっているので、映画の中ではお馬鹿な要素を堂々と入れてやっていきたいという思いで制作した。
※舞台挨拶内容はあくまで記憶によるものなので聞き間違いがあるかもしれませんので必ず正しいものではないのでご留意ください
 
■最後に
上映終了後、映画館の入り口/出口で一般のお客さんと思われる方と話をしている宇賀那健一監督を発見した。舞台挨拶ではゾンビ映画についてはウォーキングデッドのワードしか出てきていなかったのだが、往訪については死霊のはらわたや死霊の罠、ルチオ・フルチさん作品をオマージュだったのではないかという質問とどんな映画が好きとか好きなジャンルとかの質問を2つぐらいは迷惑にならない程度でぶつけてみたかったのもあるが、ほんの少しだけ待って見てみたものの盛り上がっている様子もあり、外は寒いので諦める事にした。
調べて見ると宇賀那健一監督作品は他にもいくつかあるのがわかったので少しづつ見てみようと思った。ちょっとした事からまた自分の世界が広がるのも劇場に足を運んで作品を観たり、舞台挨拶で話を聞いてからあるので面白く感じる。
これからも自分の直感を信じて可能な限りは外に足を運んで体験していきたいと思える1日となった。
斯くして、映画イベントに参加するのも千里の道も一歩から。
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