Akiraブログ

人生はぐるぐる

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人間の価値観は人それぞれ

電車に乗っているとふとこんな言葉が聞こえた。

「クレイジーフォーユーなんてたまに言われますね。ええ。ええ。」

まったく抑揚も無い言葉だった。

通勤時の電車の中では本を読んだりせず、ただぼーっとしながらMP3で音楽を聴いている。それが自分の通勤時の基本スタイルである。
曲の切れ目かどうかまでは覚えてはいないが突如として聞こえてきた。
いや、聞こえたというよりかは入ってきてたと言った方が正しいだろう。

まず、頭によぎったのが

「何が?」

という言葉だった。

そして、やはり

「何が?」

と思った。

 

この時間はわずか秒数だったはずだ。
自分的にはだいぶ気になるワードだ。きっと他にも面白い会話をしているに違いない。

振り返るとそこには2、30代ぐらいのわりと今風でカジュアルな女性二人がそこにいた。さすがにじろじろと見るわけにはいかないのでパッと見ではあるが。

すぐにどちらが言ったのかはわかった。
しかし会話をしてるその表情は無表情だった。いや、冗談で言っているわけではなく本気で言っているからなのかもしれない。
一瞬だけしか見なかったが、とにかく顔に表情がないのが印象的だった。
ちなみに、もう一人の方は後ろ向きだったので印象はない。

そして決して声のボリュームが大きかったりや五月蝿くはない。
会話というよりも一方的に喋っている様子でもう一人の方はただ相槌をしているように思えた。

 

しかし、自分で口にする事も無いが、日本の日常で日本人同士の会話でなかなか耳に飛び込んでこない内容だ。
クレイジーフォーユーなんてインパクトのある言葉ではあるがまず聞いた事がない。

なぜかはわからないが、急に耳に飛び込んできたが気になったのだ。
それはただ聞きなれていない言葉だからなのか。そういうわけでは無いような気がする。
自分にひっかかるキーワードを言うからにはもっと出てくるに違いない。
それからは会話がなかなか聞こえてくる距離にはいなかったが、
注意をしつつもスマホでGoogle先生に教えてくださいと投げかける。

 

劇団四季のクレイジーフォーユーがまずはじめにでた。なるほど舞台のタイトルか。自分が知りたいのはそういう事ではなくもっとこう面白みのある事を期待している。

検索をかけてもなかなか夢中になれる話題が出てこない。
そして会話の方に少し注意をしてもちゃんとは聞こえないが、何かの愚痴を話あっているように聞こえたが自分にさらに引っかかるようなキーワードは今の所ない。

もう一度振り返ってみると、クレイジーフォーユーはやはりたんたんと無機質な顔をしながら喋っていた。

よし、とりあえずネットサーフィンを続ける事にしようと思った。
しかし、まったく出てくる気配がないので、「クレイジーフォーユー 面白い事」と検索をしてみた。
が、いくら調べても何もそれらしきものは出てこない。
こうなったら仕方がない。わりとずるい検索方法だがいたしかない。
「クレイジー 面白い事」で検索をする。

とぼけた画像なんかは出てはくるがもはやそんなものでは納得は出来る境地にはいない。自分が思わずサイトを見たくなるような話題がヒットしてこない。

探し方が悪いのかと焦りがでてきていたその時、動きがあった。

 

その女性二人がなんと電車を降りてしまったのである。
このもやもやした感じをどうしたら良いのか。電車は無情にも女性を送り出し走り去ってしまった。

そして自分の気持ちには、なぜか敗北感さえただよい始めた感じがあった。
だがその前に、そもそも始まりはなんだったのかを考える。

ああそうだ。クレイジーフォーユーだ。

なぜかその言葉を聴いて面白い事があるのだろうと検索をしたのがきっかけだった。自分の勝手な思い込みではあったが、何か面白い事があったような気がしたからであった。

人間の思い込みや記憶は不思議なものだ。
結果的には何も面白くはなかったが、何かに満足をする自分がいた。

ふと思った。
なるほど、クレイジーフォーユーが言っていた事はあながち間違いでは無かった事に気が付いた。

なぜなら、一時でもあなたに夢中になったのだから。

斯くして、何かに夢中になるのを見つけるのも千里の道も一歩から。

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